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クリエイターに聞け! 「ニッポンのあそこで」編 08/09/04号
第6回 08/09/04号
ソフト発売後のユーザーの反響はどうでしたか?
西沢:非常に良かったですね。先ほども言ったように、内容を伝えにくいゲームということもあって、それほど期待せずに買われた方も多かったようなんですけど、実際に遊んでみると面白いという感想が多かったです。あとは女性ユーザー、特に主婦の方が意外とプレイされてますね。制作チームに女性のデザイナーがいるんですけど、彼女が楽しめるように難易度を調整したのが良かったのかも知れません。
思い出作りのゲームとして活用する方も多いのではないですか?
西沢:「思い出作り」と、あとは「過去の思い出探し」かな。普通の地図でも自分の思い入れのあるところを見ると想像が膨らむと思うんですけど、それ以上に想像力をかき立たせられるように作ったので、そこが狙い通りに好評だったのは嬉しいですね。
面白い遊び方としては知らない場所でゲームを立ち上げて、どんなギョがいるかを確認して釣り上げるのも楽しいんですよ。「ニッポンのあそこで」は10時間ぶっ通しでプレイするタイプのゲームではなくて、空いた時間に少しずつ遊ぶというのを想定していたんで、建物の数は多く詰め込みました。毎回、ガチャガチャ気分が楽しめるようにと(笑)。
ブックマークを登録していくのも楽しいですよね
西沢:登録するのもそうなんですけど、人のブックマークを見るのも楽しいんですよ。ものすごく個性が出るので。ちなみに僕は、カニクリームコロッケの美味しいお店を探してはブックマークしています(笑)。専門店がなかなか見つからなくて苦労していますが……(笑)。今はいろんな雑誌からお店の位置情報をデータに落とせるようになっているので、意外と使える情報端末になっていますね。
西沢さんがゲームを制作する上で重要視している点はありますか?
西沢:「新しい体験」ですかね。ゲームの面白さの基準って、時代によってそれほど変わるものではないと思っているんですけど、技術はどんどん進化していきますよね。その最新のテクノロジーを使って、昔からあるゲームの面白さをいかに新しい体験として魅せるかということを重視しています。
地図を使って遊ぶゲームは珍しいと思うのですが、「今までにないゲームを作ろう!」というような野望はありましたか?
西沢:僕はゲームを制作するときは、「ない組み合わせ」という視点でいつも考えているんですけど、それで少しでもゲームの幅を広げられれば、というのがゲーム制作のモチベーションになっていますね。今回の「ニッポンのあそこで」も、地図+ゲームの今までになかった組み合わせで、地図の好きな人と嫌いな人のハードルを何とか取り除けないかと思っていました。最終的に上手くまとめることができたので良かったです。
そういう点で「ニッポンのあそこで」は、ゲームの要素を楽しむだけではなく、ツールとしても活用できる作品として、まさにゲームの幅を広げることに成功していますね
西沢:そう思って頂けると……(笑)。ゲームを定義するのは難しくて、かなり昔のゲームはユーザー対コンピューターの頭脳比べというか、制作者の問題に対して答える作品が多くて、それがゲームだと考えていたんですけど、もっと広い視野で見て「コンピューターでできるエンタテインメント作品」もゲームなんじゃないかな、と思うようになりましたね。
これから西沢さんが目指すゲーム制作のテーマはそこにあると?
西沢:そうしていきたいですね。でないと、ゲームをやる人とやらない人の壁は、なかなか取り除けないんじゃないかなと思います。今のゲーム業界は二極化していて、ひとつは映画並みのクオリティで作られた王道のスタンド・アローンのゲームで、プレイに膨大な時間を費やさなければならないんですよね。それはそれで楽しいとは思いますけど、そういう作品が多いと時間に制限があるユーザーは、ゲームから離れていくと思うんですよ。
なのでユーザーのライフスタイルを変えずに、ゲームが日常生活に上手く入っていければ良いなと思います。限られた時間で「ゲームって楽しい」と思わせるような作品を目指したいですね。
ゲームクリエイターにとって必要なものとは何でしょうか?
西沢:自分が目指すべきものがはっきり見えていることと、諦めない忍耐力ですね。ゲーム制作には長い時間かかるので、それを乗り越えるための忍耐力は重要だと思います。そのためにはモチベーションを持ち、自分なりの目標をつねに掲げて制作に取り組まないといけませんね。
では、西沢さんにとってゲーム制作とは?
西沢:生きがい……ですかね。ふと「ゲーム作りができなくなったら、今持ってる楽しみのなかで何が残るんだろう?」と思うことがあるんですけど、ほとんど何も残らなくなってしまうんです。ゲーム制作は僕の生活の原動力になっていますね。
この度、新たなクリエイター・オーディション「PlayStation®C.A.M.P!」が開催されますが、そのことについてどう思いますか?
西沢:勢いのある人がどれだけ来てくれるのかっていうのが、すごく楽しみですね。僕はこの業界に長くいるので、企画を考えている段階で「これは実現可能か、不可能か?」というのをまず考えてしまって、知らないうちに発想を制限してしまうことがあるんですね。
そういった壁を壊すような勢いのある人が、オーディションに応募してくれればと思います。
最後に、今回のオーディション「PlayStation®C.A.M.P!」の応募を考えている方へアドバイスがあればお願いします
西沢:コンパクトにまとめないほうがいいと思います。内容は荒削りでも、それをモノにしていくスペシャリストは揃っているので、才能の原石を持ってきてほしいですね。無難にまとまった企画よりも、強いキーワードを持った未完成の作品のほうが、運営側も楽しいんじゃないかな。
どうもありがとうございました
Text by ねこひげ合同会社ライター 山本博幸





