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- 第13回 08/10/23号『クリエイターに聞け!(1/2)』
クリエイターに聞け!08/10/23号
第13回 08/10/23号
「ゲームやろうぜ!」合格者やクリエイターの方にインタビューし、ゲームに対する熱い想いを記録してきた「CAMP通信」も今回で最終回。そのラストを締めくくるのは、斬新なゲームシステムだけでなく、絵本のようなカワイイグラフィックや一度聞くと忘れられないメロディで話題を呼んだ「LocoRoco」のディレクター、河野力さんです。

- 河野力
SCEインターナルプロダクション部に所属するシニアゲームデザイナー。PlayStation®用ソフト「レジェンド オブ ドラグーン」、PlayStation®2「ICO」「サルアイトーイ 大騒ぎ! ウッキウキゲームてんこもりっ!!」など、様々なゲーム制作に携わる。自身が立ち上げたPSP® (PlayStation®Portable) 専用ソフト「LocoRoco」では、ゲームデザイン兼ディレクションを担当。現在はその続編となる「LocoRoco2」を制作している。
まず最初にお聞きしたいんですが、「LocoRoco」を制作される前は、何のタイトルに携わっていたのでしょうか?
河野力氏(以下敬称略):僕がSCEに入社したのは今から11年くらい前なんですけど、PS®の「レジェンド オブ ドラグーン」というRPGで、マッププランナーとして初めてゲーム制作に携わりました。そのあとはPS®2の「ICO」や「サルアイトーイ 大騒ぎ! ウッキウキゲームてんこもりっ!!」の制作チームに加わっていて、作業が終わる頃には「LocoRoco」のアイデアもだいぶ固まっていたので、それをプレゼンしてすぐに動き出した感じですね。
「LocoRoco」のアイデアを思いついたきっかけは?
河野:電車に乗っている時にPDAに色々と落書きというか、思いついたアイデアをメモしていて、そこに「LocoRoco」の原型になる丸いキャラクターがたくさん積み重なった絵を描いたのがきっかけですね。その頃は丁度PSP®が発表された時期で、僕のPDAとサイズが似ていたこともあって、色々とアイデアが思いついたんです。PSP®はLボタンとRボタンが目立つ位置にあるので、それをメインに使って上手くゲームにできないかな、と操作方法を考えていきました。
では、当初からLボタンとRボタンでステージを傾けることを考えられていたんですね
河野:そうですね。その閃きと同時にPSP®のカッコイイデザインに合った、あっと驚く作品を作りたいとずっと思っていたんですよ。パッと見はゲーム画面とは思えない、絵本とかイラストを見ているようなグラフィックをゲームにしたくて。
「LocoRoco」のタイトルには、操作方法を匂わせる「L」と「R」のアルファベットが入っていますよね。これは当初から狙っていたんですか?
河野:実は偶然なんですよ。タイトルはマーケティング部にいる僕の同期が考えてくれたんですけど、僕が「ハワイっぽい名前で考えて」と注文を出したところ、「ロコロコ」という言葉だけが来たんですよ。たぶんロコモコから発想したと思うんですけど(笑)。そのあとロゴを考えていた時に、「L」と「R」を入れられることに気がついて。何か運命的なものを感じたので、絶対に入れなきゃと思いました。
タイトルだけでオシャレだと感じさせれくれますよね。ゲームのグラフィックも可愛く表現されていますが、あれはどのようにして生まれたんですか?
河野:最初は粘土風のグラフィックや布っぽい表現とか色々とリードデザイナーが描いてくれて検討したんですけど、どれが一番目立つか、世界に受け入れられるか、作業効率が良いかと考えたときに、イラストレーターで描いた、出来るだけテクスチャを必要としないシンプルなタッチが一番しっくりきたんです。それと、僕が企画段階に作った簡単なデモムービーがあって、それもシンプルなデザインだったのですが、背景の雰囲気やロコロコの挙動をイメージするのに役立ちました。
グラフィックと併せてBGMもすごく独特でカワイイですよね
河野:今までのゲームで使われているBGMは、「ゲームの曲だね」とすぐに分かるようなものが多くて、僕が好きなジャンルの曲はあまり使われてこなかったので、まずはそこを中心にしてイメージを膨らませていきました。それで海外の人にも聴いてもらいたかったので、日本っぽさを強調せずに無国籍な感じで、世界観を統一するために歌詞はすべて造語にしようと決めて。BGMに関しては色々と頑張りましたね。普通に流すだけではなくて、ロコロコが分裂して増えればコーラスも増えたり、同じステージでもロコロコが違うと歌声も変わったり。ゲーム音楽にはまだまだ可能性があると思っているので、これからもそこはこだわっていきたいですね。
グラフィックとBGMで彩られた独特な世界観で、日本でもそうですけど海外では特に高い評価を得られましたね
河野:特にヨーロッパのほうではかなり好評でした。最初は音楽も絵のタッチも受け入れられるかどうか心配だったんですけど、YouTubeで海外の子供たちが「LocoRoco」のテーマ曲を歌っている動画がアップされていたりと反応があって良かったです。
河野さんのゲーム制作には、音楽がベースになっていることが多いんですか?
河野:ほとんどがそうですね。曲を聴いてからアイデアが閃いたりとか……。例えば使いたい既存の曲を作家さんに渡して作曲をお願いするんですけど、それを聴いてキャラクターの動きを考えたりするので。今もいくつか別の企画を色々と考えているんですけど、それらも全部音楽から生まれていますね。曲に頼るというか、刺激を受けることは多いです。
河野さんがそこまで音楽にこだわる理由は何なのでしょうか?
河野:音楽ってすごく影響力があると思うんですよ。聴いているだけで気持ちが揺さぶられるというか。ゲームを考えてから音楽を付けるのではなくて、まず使いたい音楽があってそこにそれに合った遊びを付けるような、そんな感覚で新しいゲームを考えることがよくあります。最近のゲームは映像も綺麗になって音楽も5.1chになって豪華にはなっているんですけど、音楽の鳴らし方はもっと色々と工夫できるんじゃないかなと思っていて、そこは力を入れていきたいです。
では河野さんが影響を受けた音楽はありますか?
河野:アフリカの音楽は打楽器の音がはっきりしていて、すごく好きですね。聴いているだけで鼓動が速くなるような感じが(笑)。
ご自身で楽器を演奏されたりもするんですか?
河野:ジャンベやボンゴなど打楽器も持っていますが、普段はウクレレくらいしかやらないですね。ちなみに続編で使う曲の一部でウクレレを入れることになったんですけど、そのパートは僕が弾いているんです。1小節で1回しか弾いてないので、すごく簡単なんですけど(笑)。






