1. CAMP通信 > 
  2. 第13回 08/10/23号『クリエイターに聞け!(2/2)』

クリエイターに聞け!08/10/23号クリエイターに聞け!08/10/23号

第13回 08/10/23号

「LocoRoco」の曲は聴いているだけで楽しいですよね

河野:僕が目指しているのは見ているだけで楽しさが伝わるゲームなんですね。「LocoRoco」ではキャラクターが勝手にあちこち動いたり喧嘩したりと見てるだけで楽しくて、ゲームの状況で音楽が常に賑やかに変化するというものを考えていたので、そこは上手くできたかなと思います。

ものすごく耳に残る曲ばかりじゃないですか。そのあたりは意識して作詞されたんですか?

河野:意識はかなりしていますね。歌詞は全部造語なんですけど、わざと小さい「っ」を入れてはじける感じを出したりとか……。あとはパ行を入れるとカワイイ感じになるとか、早口で言わないと歌えないフレーズを作って歌詞を覚えたくなるようにして。僕自身、作詞が初めてだったので、手探りでなんとなく感じたことをどんどん入れていった感じですね。。

グラフィックやBGMを含めて、「LocoRoco」は可愛らしさが全面に出ている作品だと思うのですが、それをイメージして作られましたか?

河野:カワイイ、というよりかはちょっと抜けている感じかな。あまり深く考えないで、とにかく笑わせちゃえばいいや、みたいな。でも、「モジャ」というキャラクターがロコロコを食べるとか、そういうところは残酷だったりします(笑)。

ゲームをクリアするのはすごく簡単ですけど、隠し要素を見つけたりハイスコアを狙おうとすると難易度が上がりますよね。そのバランス調整で注意された点はありますか?

河野:制作中はずっと世界中の子どもたちが遊んでいるところをイメージしていたので、子供が途中で投げ出さないように最後まで遊べる難易度にしようと思っていました。それでメインルートはかなり難易度を下げたんですけど、やはりコアなユーザーさんもいらっしゃるので隠しルートとか「ムイムイ」を集めるとか、やり込み要素も追加して幅広く遊んでもらえるようにしました。

△ページトップへ

「子供が遊んでいる姿を想像している」と仰いましたが、子供をターゲットにすることはつねに意識されているんですか?

河野:子供もそうですけど、あまりゲームをやらない女性も意識していますね。例えばOLの方とかは普段化粧品とか洋服を買ったり、ゲーム以外にもお金を使うことがたくさんあるじゃないですか。その中にゲームはどう入り込んでいけばいいのかとずっと考えていて。
まだ明確な答えは出てないんですけど、PSP®本体とソフトを買ってもらうためには、「自分で持っていたい!」と思わせる強力なタイトルを1本じゃなくてたくさん増やしていかないと、普段ゲームをあまりプレイしないユーザーに遊んでもらうのは難しいかなと思います。

では、制作中に苦労された点などはありましたか?

河野:ロコロコは物理計算とAIで動いているんですけど、その微調整がすごく大変でしたね。勝手に変なところに行っちゃったりとか、予測していないことが結構起きるんです。そこは面白い部分でもあるんですけど。

前作もBGMやステージのギミックをはじめ、たくさんのアイデアが詰め込まれていますが、やむなくカットしたアイデアなどはありますか?

河野:ありますね。前作では入れられなかったので、続編で入れたものもあります。前作はその時に思いついたアイデアを欲張って入れた感じなんですけど、欲を言うともっとたくさんのギミックを入れたかったし、音楽のほうでも色々とやりたかったですね。なので今作はかなり気合が入っています(笑)。

河野さんが考える、ゲーム制作で大切なことはありますか?

河野:僕はゲームで遊んでくれるユーザーをつねに想像しながら制作することを心がけているんです。そうしないと独りよがりのゲームになってしまうので、なるべく大勢の方に遊んでもらえるようにイメージしながら、ゲームを作っていくことが大事じゃないかなと思います。そのためにはサービス精神を旺盛に、「こうしたほうが驚くかな?」といたずらを企む感じで(笑)、ワクワクしながらゲームを作らないといけないですね。

制作側も楽しむことが大事なんですね

河野:河野:そうですね。「LocoRoco」を制作していて、それはすごく感じました。制作中は本当に楽しかったので。特にロコロコというキャラクターはAIでいろんな動きをみせてくれたので、すごく面白かったですね。

これから河野さんが狙うゲームは、「LocoRoco」とはタイプが違う作品になるのでしょうか?

河野:まだ次に何をするか考えてる所ですが、今後も見ている人を笑わせるゲームを作りたいと思っています。僕がずっとやりたいと思っているのは集団のキャラクターのAIなんです。1匹だけではなくて、複数のAIキャラクターが集まって何か面白いことをやりだすみたいな。「LocoRoco」でも、何匹かが積み重なったり、全員で点呼をとったりと、少しだけその要素が入っています。AIは、小学校5,6年の頃がきっかけだと思うんですけど、当時ロボットとかAIに凄く興味があって、ある本を買ったんです。そこに載っていたプログラムを打って、入力した単語を覚えさせて会話していくという人工無脳プログラムで遊んでいたんですよ。そのときに自分が生命を生み出すみたいな感動があって…。AIはまだまだ色々面白いことが出来るので凄く楽しみです。あとは音楽と物理計算ですね。物理計算も演出だけではなく、ゲーム性に絡めた感じで何かできないかな、といつも考えています。

河野さんにとってゲーム制作とは何でしょうか?

河野:「LocoRoco」が発売された時に海外から取材を受けたことがあって、そのときにいたカメラマンの人から、子供が体を傾けて夢中になって遊んでいるよ、という話を聞いたときにすごく嬉しかったんです。音楽も映画もなかなか海外に出ていけないのに、ゲームは凄いな、と実感しました。その可能性の大きさに本当にワクワクしています。それと…、世界には、食糧不足や環境問題とか地球規模の問題が山積みなのにこのままただ作りたいゲームを作っていて良いのかな……と最近思い始めているので、この仕事を活かして何か世界の為になることをやっていきたいと思っています。

では最後に、今回のオーディション「PlayStation®C.A.M.P!」の応募を考えている方へコメントをお願いします

河野:「こういうゲームを作りたい!」という元気のある、アイデアの塊のような人がたくさん応募してきてほしいですね。多少性格に問題はあっても(笑)、そういう変な人が面白いゲームを作ると思うので。でもチームで作るとなると協調性も必要になるから、そこは意識してほしいです。

ちなみに河野さんは変な人……に当てはまりますか?

河野:周囲の人からはいつも「変だよね」と言われるんですけど、言われてる本人はそう思ってなかったりするんですよね(笑)。

どうもありがとうございました。

Text by ねこひげ合同会社ライター 山本博幸

前へもどる

△ページトップへ